ポメラニアンの健康管理[犬図鑑 ポメラニアン]3

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ポメラニアンの健康管理 ~食事や運動、病気の予防と対処~

ポメラニアンは、ふわふわの被毛とくりくりの目が特徴的なとても可愛い小型犬です。しかし、その見た目に反して、活発で賢く、しつけが必要な犬種でもあります。ポメラニアンの健康管理は、飼い主さんの大切な役割です。ポメラニアンを肥満にさせないためにも、食事や運動、病気の予防と対処について、しっかりと知っておきましょう。今回は、ポメラニアンの健康管理について、初心者向けにご紹介していきたいと思います。

ポメラニアンの食事管理

ポメラニアンの適正体重を維持するには、食事管理が欠かせません。ポメラニアンは、食べ物に対する執着が強いので、飼い主さんの管理が甘いと、すぐに太ってしまいます。肥満になると、呼吸器や関節、心臓などに負担がかかり、さまざまな病気のリスクが高まります。

  • 食事の量は、体重や年齢、運動量などによって変わりますが、一般的には体重1kgあたり30~40g程度が目安です。
  • 食事の回数は、子犬期は1日4回、成犬期(生後6ヶ月以降)は1日2回以上がおすすめです。
  • 食事の種類は、ドッグフードが基本ですが、時々手作り食や缶詰などを与えても構いません。ただし、人間の食べ物やおやつは控えましょう。特にチョコレートやねぎ、ブドウなどは犬にとって有害なので絶対に与えないでください。
  • 食事のタイミングは、朝と夕方の2回に分けるのがおすすめです。朝は散歩の前に、夕方は散歩の後に与えるとよいでしょう。散歩の前に与えると、散歩中に吐いたり下痢をしたりする可能性があります。散歩の後に与えると、散歩のご褒美として効果的です。
  • 食事の与え方は、ポメラニアンが落ち着いて座っていることを確認してから、食事を与えるようにしましょう。食事を与える前に「オスワリ」などのコマンドをかけると、ポメラニアンは食事をもらうためには飼い主さんの言うことを聞かなければならないと理解します。食事を与えるときは、「イイコ」と褒めてあげることも忘れずにしましょう。

ポメラニアンの運動管理

ポメラニアンは、小さくても活発な性格で、とても遊び好きです。運動は、ポメラニアンの健康やストレス解消にも大切な役割を果たします。運動不足になると、体重が増えたり、イライラしたり、破壊行動をしたりする可能性があります。[4]

  • 運動量は、1日の合計が40~60分程度といわれています。基本的に1日2回の散歩で運動量は足りますが、愛犬がまだ動き足りない様子のときや体重が増えたなと感じたときは、以下のような室内遊びで運動量を補いましょう。
    • 円を描くように回るくるくるスピン
    • 脳を活性化させるおやつ探しゲーム
    • 狭い通路を飼い主と下がる、うしろにバック遊び
  • 運動の種類は、散歩やボール遊びなどがおすすめです。ポメラニアンは、飼い主さんと一緒に遊ぶことが大好きなので、コミュニケーションをとりながら楽しく運動しましょう。ただし、長時間の運動は体の負担になることもあるので、1回20~30分程度にしましょう。
  • 運動のタイミングは、涼しい時間帯にしましょう。ポメラニアンは暑さに弱いので、夏場は早朝や夕方、冬場は昼間などに散歩したり遊んだりするのが良いでしょう。暑い時間帯に運動すると、熱中症や脱水症状を起こす恐れがあります。また、地面からの照り返しにも注意しましょう。肉球が火傷をしたり、目が痛くなったりすることがあります。

ポメラニアンの病気の予防と対処

ポメラニアンは、小型犬の中でも比較的丈夫な犬種ですが、それでも遺伝的にかかりやすい病気や、体型や性格によって起こりやすい病気があります。ポメラニアンの病気の予防と対処には、以下のポイントに注意しましょう。

  • 予防接種は、犬の感染症を予防するために必要なものです。ポメラニアンは、生後2ヶ月ごろから予防接種を始めることができます。予防接種の種類や回数は、動物病院によって異なりますが、一般的には以下のようなものがあります。
    • 混合ワクチン(パルボウイルス、犬ジステンパー、犬コロナウイルス、犬ヘルペスウイルス、犬アデノウイルス、犬パラインフルエンザウイルスなど)
    • 狂犬病ワクチン(狂犬病ウイルス)
  • フィラリア予防薬(フィラリア寄生虫)
  • ノミ・ダニ予防薬(ノミやダニなどの外部寄生虫)

予防接種は、犬の年齢や健康状態、感染リスクなどによって必要なものが異なります。動物病院で獣医師に相談して、最適な予防接種のスケジュールを決めましょう。

予防接種の効果は、一定期間で切れてしまうことがあります。そのため、定期的に追加接種を行うことが大切です。予防接種の期限は、ワクチンの種類やメーカーによって異なりますが、一般的には以下のような目安があります。

  • 混合ワクチン:初回接種後、2~4週間後に2回目、さらに2~4週間後に3回目を接種。その後は1年に1回追加接種。
  • 狂犬病ワクチン:初回接種後、1年後に2回目を接種。その後は2年に1回追加接種。
  • フィラリア予防薬:感染期間中(5月~11月)の毎月1回服用。または、年間通して服用。
  • ノミ・ダニ予防薬:感染期間中(4月~11月)の毎月1回服用。または、年間通して服用。

予防接種を受けるときは、犬の体調や副作用に注意しましょう。予防接種を受ける前には、獣医師による健康診断を受けることが必要です。予防接種を受けた後は、発熱や食欲不振、嘔吐などの副作用が起こることがあります。これらの症状は、通常は軽度で数日で治まりますが、重篤な場合は動物病院に連絡しましょう。